各種釣竿のOEM生産、SUZUKI Blanks、Pentastick | 株式会社リチャーズ

メイド・イン・ジャパンの誇り ロッドOEM製造
メイド・イン・ジャパンの誇り ロッドOEM製造

製造工程

① ロッドブランクスができるまで

1. 打ち合わせ〜
  ロッドブランクス・パーツ・デザイン設計
お客様と仕様など打ち合わせ。ルアーロッドを始めフライロッド、船竿、ヘチ竿、諸外国の多様な釣竿など多岐に渡るご要望に基づいて基本設計を行う。 先ずは、試作品を製作するところからスタートだ。
2. 素材を冷蔵庫で保存
仕入れた素材「カーボンプリプレグ」「グラスクロスプリプレグ」は冷蔵庫で保管される。
3. 素材の裁断
ロッドブランクの設計図にしたがって、カーボンプリプレグやグラスクロスプリプレグを所定の形状に裁断する。
4. マンドレルへ巻き付け
裁断したカーボンプリプレグをマンドレル(芯金:鉄の棒でテーパーが付いている)に巻きつける。マンドレルにはあらかじめ巻きつけやすいようにレジン(熱で硬化する樹脂)が塗ってある。カーボンプリプレグを設計図に基づいて裁断したシートを「パターン」と呼び。マンドレルに巻き付ける際には、小型アイロンのようなもので熱を加えつつ仮止めし、複数枚のパターンを巻き付けていく。 仮止めの後、ローリングマシンにセットして圧力をかけながらマンドレルにがっちりと巻きつける。
5. テーピング
パターンの巻きつけができたら、その表面に成形用テープを巻きつける。焼成する際にテープにかけた圧力により余分な樹脂が締め出され、素材間の気泡も抜けてきれいなパイプができる。ロッドごとにテープの種類、巻く圧力、巻く間隔など細かいセッティングが要求される。
6. オーブンで焼成
マンドレルに巻きつけた素材を高温温風循環炉(オーブン)の中に吊り下げて加熱すると、カーボンプリプレグに含まれる樹脂(レジン)が熱で硬化して硬いパイプ(ブランク)になる。樹脂を硬化させるには130〜140℃で3〜4時間程度加熱する。オーブン内に並べる配置や間隔、温度調整、時間配分などの設定はノウハウの蓄積から割り出されている。
7. 脱芯
焼成の後、冷ましたブランクスを油圧式の機械にセットしてマンドレルを抜き取る。写真はグラスロッドなのでブランクがクリーム色。 ブランクスのベースが誕生だ。
8. テープ剥がしと端面カット
成形用テープを剥がした後、ブランクスの両端がガタガタしているので、設計段階から切り代を見込んでいて、両端を1cmくらいカットする。 ブランクスの表面にある細かい縞模様は、成形用テープの重なりでできた樹脂の段差。
9. ロッド接続部の合わせ研磨
2ピース以上のロッドはセンターレスマシンで研磨する。左右のローラーと砥石ではさみ高速回転させて表面を研磨する(0.01単位)。
10. 表面研磨
塗装する場合は塗料の密着性を高めるため表面を研磨する。無塗装の場合はガイド糸巻きに進む。
11. 塗装(シゴキ)
シゴキ塗装はフィッシングロッドやゴルフシャフトなどの塗装に適している方法。塗料を入れた容器を傾け一本一本ブランクを差し込んで引き抜く。容器の手前には穴を空けたゴムが貼ってあり、引き抜くスピードを操作してブランク表面に付着する塗料の厚みをコントロールする。技術にはセンスと経験が求められる。
11. 塗装(吹きつけ)
スプレーガンによる吹きつけ塗装。
12. シルクスクリーン印刷
主にロッドのバット部に表示されているブランドロゴや品名表示などはシルクスクリーン印刷が多い。1本ずつ手作業でセットし、版が降りてブランクが回転しながら刷り込まれる。2色印刷や複雑なデザインは位置決めに神経を集中する作業となる。

② ガイドの糸巻きと組み立て、コーティング

13. ガイド仮止め、糸巻き
ガイド糸巻きと飾り巻きの工程に移る。ブランクスを回転させる機械にセットして、図面にしたがってガイドをテープで仮止めしていく。回転スピードは足下のペダルでコントロールする。この作業は熟練の女性たちが得意とする工程だ。 飾り巻きでは複数のボビンにセットされた糸が丹念に巻かれる。不要な糸は和ばさみでカットする、スピードも要求されるが緻密な手作業は熟練を要する。ガイドがつくとぐっとロッドらしくなってくる。
14. ガイドの取り付けチェック
ずらっと並んだガイド列が一直線上にセットされているかどうかは、一本ずつ丹念にチェックする。
15. 組み立て下処理
グリップのリールシート部やアルミパーツの保護をする。 ロッドのテーパーによってはリールシート・アルミパーツ等の勘合具合を調整する。
16. 組み立て
コルク製やEVA製のグリップ、リールシート、各種パーツ類をブランクスに接着する。トップガイドの接着は一番最初に行われる。 場合によって「ガイドのコーティング」の工程と順序が入れ替わることもある。 各部品の材質等により接着剤の配合を変えることもある。
17. 糸のコーティング
ガイドをつけられたロッドを機械に順次セット、これらのロッドがゆっくり回転しながら上方に移動していく。先ずはアルコールランプ等の炎で糸の毛羽立ちを焼いて取り除く。2液性のエポキシ樹脂を、ガイドをつけた糸や飾り巻きの糸に染みこませる。すぐにライターであぶって気泡を飛ばす。こうして3〜4回エポキシを塗り重ねる。1回でたっぷり塗ると遠心力や引力でコーティングがいびつになるので薄くして重ねる必要がある。

エポキシ樹脂の濃度は必ず計量して一定になるように設定する。

2液を合わせるとすぐに硬化が始まる。液の硬化時間を考慮した範囲内での手早い作業になるので、2名で行うこともある。
下塗り、中塗り、仕上げ塗りというように最低でも3回以上はエポキシ系の樹脂をコーティングする。
18. 乾燥
数時間自然乾燥したあと乾燥炉に入れる。
19. 完成品の検査、調整
外観や部品の取付状態と動作などをチェックする。不具合箇所が見つかれば、自らすぐに調整加工をする。
20. 梱包、出荷
保証書や取説を入れ、袋に詰めダンボールケースで出荷。